[映画] また不倫映画?The Unmarried wife - 不倫ネタ多し、近年のフィリピンの映画

「不倫は文化です」と迷言を発した某俳優さんが日本にいましたが、フィリピンの全国上映している、有名な俳優さんを使った映画、かなりの割合で不倫ものが含まれていることに今更ながら気づきます。フィリピンでは不倫は罰則対象になるのですが、やはり男女の不条理は以下に罰則を設けようと抑止にはならず、そしてドラマ、小説などの普遍的なテーマになります。

ブログ「どうしていつもそう単純なの?-フィリピンのドラマ-

「The unmarried wife」は、フィリピンのStar Cinemaプロダクションの映画。夫の不倫に苦しみ悩む人妻アン・ビクトリオ(アンジェリカ・パガニバン)が主人公。




あらすじ(ネタばれあり)

アンは、弁護士であるジェフ(ディンドン・ダンテス)とロマンチックな恋愛の末結婚。子どもも授かり、仕事にもやりがいを感じ、成果も認められ昇進を果たし、公私ともに順調。一方、夫も仕事はそこそこながら、すれ違いの夫婦生活に寂しさを感じ、職場の同僚と不倫。職場に陣中見舞いをしに来たアンに不倫現場を目撃されてしまいます。

夫は、不倫していた女性と距離を置くために、勤めていた会社を退社。冷めていく夫婦仲。夫に嫌悪感を示しつつそれでも、子どものために夫とは別れず、修繕をしようと努力するものの、その努力もむなしく、ジェフによる新たな不倫。不倫相手の女性は、ジェフを虜にします。

失意のどん底にいるときに出会ったのが、ブライアン(パウロ・アベリノ)。最初は、警戒心むき出しであったアンも、次第に心を開いていきます。夫のジェフは新しい彼女に入り浸り、実質の別居。戸惑いながらも新しい恋にときめくアン。

しかし、その彼氏パウロには別れたいけど、別れられない妻がおり、アンの新しい恋は不倫として社会から咎められることに。ブライアンの妻(係争中)がソーシャルメディアに投稿したビデオで、ブライアンとアンの関係が公に知られることになり、アンは結局会社を辞めざるえませんでした。

ツッコミたくて仕方ない内容

人妻アンが夫ジェフの不倫に悩みつつ、最後は婚姻無効裁判をして新しい人生を歩もうとする姿が共感を呼んだのか、6日で1億ペソ(2億円)の売り上げ。映画のチケットが100~200ペソなので、日本円に価値を置き換えると6日で10億ほどの興行収入と考えてもよいのではないかと思います。そう考えると、結構収入を得た映画ということになります。

映画とはいえ、職場で堂々と不倫するというのは、なんともすごい話です。そして、それを目撃させてしまう夫の脇の甘さなどは驚きです。そして、反省して間もなくの夫の第二の不倫。

また、妻アンの新しい彼ブライアン、寂しそうなアンをただ慰め支えたかったというが、フィリピンでは不倫は社会的のみならず法的制裁を受ける行為。にも関わらず、細かいことは気にしない新しい恋に掛ける男というすごい設定。


フィリピン的か?

日本じゃ流行らない映画の作りと一蹴してしまうのはたやすいのですが、これがフィリピン的であることに著者は注目しています。

離婚というシステムがないけど「不倫」があり、別居があり、婚姻無効裁判があるという現実。女性との愛や恋の甘さにすがるロマンス男と、現実を見据えて強く生きる女性の対比。
日本人的感性で観るとなんともだらしない男性たち・・・なのですが、ブログ「フィリピン人男性の生態」にも書いた通り、フィリピン人男子はよい意味でも悪い意味でも(汗)マザコンなのです。

こうした「不倫」映画では、大体が上流階級を描くことが多いので、奇麗な家。会話もフィリピノ語と英語のミックスです。教養や育ちを見せるためなのですが、一般庶民はフィリピノ語一辺倒で話します。

そして、不倫する女性がいるものの、いつも不倫問題で泣くのは女性という構図を社会に与えています。ブログ「フィリピンでは女性の浮気は「罪」なのです」で説明した通り、不倫の扱いは、女性に徹底的に不利です。不倫をされても悲しい女性ですが、不倫をした場合も女性が被るダメージは男性よりも大きくなります。

また、不倫はけっこう頻繁に認められる行為なのかもしれません。そして、フィリピン社会の密なつながりが、不倫という関係を感知しやすくさせているのかもしれません。映画はドロドロの不倫関係なのに、映画の最後は、夫をまだ愛しているけど「前に進まなきゃ」と爽やかに終わります。視聴している私はすっかりおいてけぼりを食らうのでした。

はっきり言ってしまうと、観逃しても全く後悔のない映画。上記プロダクションは映画を量産していますが、今まで観た中で名作と言えるものには出会っていません。

昔のフィリピン映画はよかったのに、という人にたびたび出会います。近年の作品で秀逸だったのが「ルナ将軍」。恋愛ものでもなければ、不倫ものでもない、歴史物で真っ向勝負。良かったです。

この映画アジア系の映画のオプションが豊富なエミレイツのフライト中に観ました。そういえば、これまで観たフィリピン映画の多くはエミレイツのフライト中に観ていたような・・・。star cinema系の観賞した映画リストがますます増えそうです。

ブログ「フィリピン人男性は浮気性?

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