夜が明るいヨーロッパの夏:ヨーロッパのサマータイム

今日3月26日から西ヨーロッパでは夏時間(サマータイム)です。“夏”というにはまだ肌寒い時期ですが、日が長くなり始めるこの時期の週末、時間の針を一時間進めます。この時間設定は10月まで続きます。

ヨーロッパで生活し始めた時には、一時間時計の針を進める、あるいは遅らせるということに少々不思議な感覚を覚えましたが、非常に理にかなっておりいくつかのメリットを見出しています。


サマータイムのメリット

有効な時間活用のため
緯度の高いヨーロッパの国では顕著に3月、4月ごろから日が長くなります。朝の6時は既に日が昇っております。現3月下旬での日暮れは夜の8時過ぎ(サマータイム)で、7月、8月になると夜の10時まで暗くはなりません。

なので、(残業がないという前提で言えば)明るいうちに退社が可能になります。6時退社の会社の場合は、実際は5時の明るさでの退社となります。仕事後の時間(夜7時、8時であっても)をよりアクティブにできます。

経済効果
個人の時間活用という観点もそうですが、仕事後の時間を有効に活用できるということで、経済効果が見込めると思われます。
オランダなどでは夏時期にはイベント盛りだくさんになります。野外コンサートや、フェスティバルなど、露店も多く出店し大盛況となります。また、日が長いため親子連れの家族客も冬場より見られます。これもサマータイム効果なのでしょう、きっと。

エコ効果
夏はまだ暑くなりきらない時間帯からの始業、そして暗くならない時間での終業で光熱費の削減も期待できるのではないかと言われています。

日本ではサマータイム導入は実現しない?

日本ではなじみが薄い、サマータイム。OECD加盟国で採用していないのは日本、韓国、アイスランドです。調べると日本でも幾度となく導入を議論したことがあります。しかし、その都度立ち消えになっています。それは、日本の実情には合わないという批判の故。

サマータイムの導入により残業が増える!
一時間早い出勤、しかしそれが一時間早い退社を確約するものではないというもの。企業文化、定時の帰宅にプレッシャーがかかる。結果、付き合い残業、あるいはサービス残業をより増やしてしまうと想像される。

企業がまず定時で帰宅できる文化を醸成し、残業代がきちんと払われる当たり前の仕組みを徹底して作り、守らない企業にはかなり重たいペナルティを科すということをしない限り、サマータイムはいたずらに勤務時間を増やしてしまうことになりかねないという。

ヨーロッパで残業や持ち帰りの仕事が全くないと言うわけではないものの、やはり日本とはことなる仕事・職場環境。だから、日本にはなかなか根付かなそうなサマータイムと言ってしまうのは早計なのではないでしょうか・・・というに留めておきます。

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