お米を食べれるようになるまでーマニュアルなフィリピンの米の収穫

フィリピンは農業国です。地方ではまだまだ農作業に従事する人々の数は多く、人々の生活を支えています。特に主食となるお米は、重要な農産物。ベトナムからの輸入米が多いのが残念ながらも、フィリピンでも生産は続いています。

フィリピンでの田植え+収穫は多くは人力、時にカラバウ(フィリピンの水牛)や簡単な機械を用いての作業となりますが、日本のように機械化されていません。それ故、近隣の田植え期と収穫期の近隣のたんぼにはまとまった人数が朝早くから精を出して働いています。そんな場におじゃまして、見学+収穫のお手伝いをしてきました。
フィリピンの米の収穫に精を出す女性
マニュアルなフィリピンの米の収穫に精を出す女性
2015年3月9日撮影

お米の収穫作業のプロセス

刈り入れ

著者が田んぼに到着した時には、すでに刈り入れはかなり進んでいました。収穫のために水が抜かれ、数日の日照りで乾上がった田んぼに、数人の作業員が稲の穂の部分を刈っていました。稲は地表から15センチほどを残し刈り取り、まとめられます。

マニュアルなフィリピンの収穫 男性作業員
マニュアルなフィリピンの収穫 男性作業員
しかし、働いているのは男性だけではありません

稲刈りに従事する作業員の手際がよく、見ていて気持ちがよいぐらいさくさくと刈り、稲の上下揃え、積んでいきます。作業員の周囲にはそうした稲の穂の山が次々と出来上がっていきます。刈り込みに利用する用具は、日本の草刈り用の鎌の形そのもの。鋭い歯、切れ味がよいことは勿論ですが、コツがあるようです。

刈り取られた稲
刈り取られた稲
刈り取った稲を積む作業
刈り取った稲を運びます

脱穀

午前中で刈り込みを終え、昼食後はディーゼルで動く機械で脱穀します。先ほどの山と積まれている稲のそばに脱穀機と扇風機!を設置し、あとは機械にどんどんと稲を入れて脱穀していくだけです。

ディーゼルの脱穀機
ディーゼルの脱穀機

脱穀機の傍らには扇風機が置かれていますが、それは作業員の暑さ対策!のためではなく、機械から噴射される籾と分離された稲を分別するために使われます。風を起こすことで、物理的に軽い稲が遠くに飛ばされ、籾部分が機械のすぐそばに落ちる仕組みです。

ディーゼルで動かす脱穀機からシュッシュと勢いよく、稲と籾が噴射されます。
1つの山を脱穀したら、機械を担いで次の山に移動。これを繰り返します。

ディーゼルの脱穀機を次の作業場所に移動する様子
ディーゼルの脱穀機を次の作業場所に移動

収穫物の袋詰めと移動

一方、他のグループは籾を集めて、袋に詰めます。袋は50キロほどの重さと、かなり重いのですがそれを頭に載せて、道路沿いの地主宅前に移動。

脱穀された米を運ぶ作業員、飼料袋に入った米をせっせと運びます
軽々と持ち上げているように見えますが、重さにして50キロほど!
著者の体重以上!!!の重さを頭に乗せるというのはとても無理でした。

誰が働いているのか?

作業従事者は、近所の男女です。収穫要員として雇われています。給与は、100~150ペソ/1日あるいは籾の現物支給。賃金は収穫された量によりかわります。仕事のない農村部、体力のある男性は是非とも作業に参加したい様子。

土地は0.7ヘクタールほどと1ヘクタールにも満たないものでしたが、作業員の数を数えると合計16人ほど。これは、多いほう。しかし、作業にはそれなりの人出がひつようなことは確かです。

収穫に携わる人員の2人(著者をのぞいて)のみが女性で、あとは全て男性。作業の内容を考えると納得です。一方、田植えは女性が作業している様子を頻繁に見かけます。
脱穀機を利用する作業員
稲が勢いよく飛ばされていきます

作業者の服装

作業の服装は、帽子、首巻タオル、長袖。日焼けとそれによる疲れを防ぐということもその理由ですが、稲は肌に触れると痒さを引き起こします。そのため、長袖での作業は必須です。

作業は夕方まで続き、最終的には30数袋のパライを収穫しました。今日の作業はここまで。この後は、このパライをよく晴れた日に天日で数日乾かし、精米するだけです。
農作業に従事するフィリピン人男性
カメラに気づいて、ピース!
過酷な作業ですが、とても楽しそうなフィリピン人労働者

フィリピン人旦那の子ども時代は、家が農家という子どもたちは収穫期に学校を2日ほど休み、農作業を手伝い、その見返りとして幾分かのおこずかいを貰っていたということです。だんなのお父さんは大工だったので、ちょっとうらやましかったとか。

しかし、今は子どもが作業している姿はみません。学校を休ませないようにしている!というのであればよいのですが、農村地域でも職にあぶれている大人たちがいるのでそうした人たちを雇っているようです。

さて、今回初めて収穫に参加したのですが、お約束通り稲が触れた部分(一応覆っていたのですが)痒くなりました。いやはや、作業員、とくに稲を刈り取る人、稲を機械に挿入する人員が頭から足までしっかり覆っている理由が分かります。

フィリピンのお米の相場はお米のブランドに依りますが、一キロ大体40ペソ前後。毎日食すお米故、低所得者にとっては高いと思うものの、作業量を考えると納得です。食べ物を作るという営みは基本。今回の作業参加で、改めて農家の人たちに感謝の思いでした。

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