ビコール地方ペニャフランシア祭り (penafrancia festival) in アムステルダム

ペニャフランシア祭りは、マニラのキアポ教会のブラックナザレ、セブ島のシヌログ祭に並ぶフィリピンの宗教行事で、巡礼者・規模も地方最大、聖母マリアの祭典です。



毎年9月の第三週の週末にペニャフランシア祭りが、南カマリネス州、ナガ市で開催され、地方のみなず全国から巡礼者を集めます。

お祭りの一連の流れ

ペニャ・フランシア教会に安置された聖母マリア像は年に一度、ナガ・メトロポリタン大聖堂に移され、9日間の祈り「ノベナ」が始まります。

metropolitan cathedral in naga city
ナガ市、メトロポリタン大聖堂
9日目となる日に(週末)、マリア像は聖職者とともに半球の形の山車に乗せられ、大聖堂を出発して市内をパレードします。

男性の巡礼者たちが、マリア像とともに市内をパレードします。山車の上におかれたマリア像に間接的にでも触れようとタオルなども投げられます。パレードの最後は、マリア像は船でナガ川を下り、9日ぶりにペニャ・フランシア教会に戻されます。

Penafrancia fluvial procession
ペニャフランシア祭りのクライマックス、水上パレード


信仰×家族×商売
多くのビコール人は、聖母マリア信仰があり、この日に聖母マリアを通じて、家族の健康や幸せを願い、祈りをささげます。Mama Maryともいいますが、Ina(イナ:ビコール語でお母さん)と親しみをこめて呼びます。

また、この日はマニラや遠方に暮らす家族・親族が集まる、家族が集う日でもあります。それゆえ、ナガ市の人口は一時的にもぐっと増えて、ビコール地方の中心都市としては比較的狭いため、街がより狭く感じます。

街には場所取りのためか、お祭りの数日前から露店がびっしりと並びます。お祭りによってビコール地方、とくにナガ市の経済が活気付く日でもあります。

今年は、ダバオにおける爆破事件の後の開催で、警備にあたる警官が例年以上に緊張をしていたのではないかと思われますが、大きな事故も事件もなくお祭りは滞りなく行われました。



アムステルダムのペニャフランシア
ここ、オランダにもいわゆるビコール地方出身による県人会のような組織があります。その団体が毎年フィリピンのペニャフランシアの時期と合わせて特別ミサ、水上パレードを行っています。

Penafrancia in Netherlands
フィリピン人神父による特別ミサ
ミサは、フィリピン人神父によって行われ、水上パレードは象徴的ですが観光ボートをチャーターして行われました。
市内のパレードはもちろんできませんが、旦那が聖母マリア像を観光ボートまで運びました。象徴的な市内パレードといってもよいでしょうか。そのため聖母マリア像をもったフィリピン人が信号待ちをしているという不思議な光景を目にすることができました。


penafrancia procession in Amsterdam

参加者は残念ながら前回に比べて少なかったのですが、旦那は久しぶりに触れ合う同郷人にほっとした様子でした。

水上パレードではアムステルダム市内のカナルぐるりと回り、その間フィリピンの御菓子プト(米の粉で作った蒸しケーキ)、ホピア(日本の金つばのような菓子)などをつまみ、写真撮影ありと大忙しでした。


夜はパーティ。開催地が遠いためわれわれ夫婦は辞退しましたが、(もちろん)盛り上がったとのこと。

このビコール人コミュニティは、コミュニティでの集まりを行うのみならず、マスバテの学校建設を支援しています。
水上パレード中寄付を募っており、またプロジェクトの進捗などもかいつまんで説明してくれました。コミュニティのメンバー全員が裕福というわけではないのですが、それでもオランダではフィリピン人の平均的収入よりは俄然多く稼いでいるので、フィリピンのコミュニティに対して何かをしたい!と思って、プロジェクトが立ち上がったと聞きます。

(マスバテは一昔前までは、封建社会の様相でしたが(地元の政治家が牛耳っている。政治に絡む殺傷事件が多かった)、今では現地の政治も少しづつですが変わりつつあると聞きます。それでも、人々が豊かになれない、そしてインフラ整備の遅れがある地域です。学校建設は本来は政府の仕事・・・。それでもやっぱり、教育に特化してのプロジェクトは好感がもてます。)


来年のペニャフランシアはオランダか、フィリピンかわかりませんが・・・よい週末でした。

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