フィリピン「ポーク・バレル」資金撤廃を求めてのデモ

 8月26日、フィリピン独立に寄与した人たちを称える、英雄の日である昨日、フィリピンポークバレル撤廃を求めるデモがマニラのルネタ公園にて行われ、約10万人が参加しました。ポークバレルとは、優先開発補助金:Priority Development Assistance Fund(PDAF)、上下院議員が使える比較的自由度の高い補助金です。目的は、政治的関心が少なく、地方の手の行き届かない比較的小規模のプロジェクトを行うために使われるために作られました。しかし、このポークバレルが架空の市民団体をつくり存在しないプロジェクトに流れていたことが発覚し、ここ1カ月以上にわたりフィリピン国民の一つの大きな関心事になっていました。不正に使われたお金は100億ペソを超え、またかなりの数の国会議員がこの汚職事件に関与しており、主犯とみられる人物2人は現在逃亡していますが、逮捕状を発行、所有不動産、資産の凍結がなされています。アキノ大統領の政治公約、汚職撲滅の政治スローガンの実行力が試されるまさに試金石となる出来事となりました。

 昨日のデモは市民団体の呼び掛けながら、市民団体にとどまらず、アーティストも参加しパフォーマンスをおこなったり、資産不正申告などで有罪とされ、比国史上初めて弾劾により罷免されたコロナ最高裁長官まで参加し、ブーイングを浴びたりしていましたが(汗)、一般市民も多数参加し、各自ご飯もゴミ袋も持ってきて、ピクニックのような様相で比較的平和裏にデモが行われたようです。
 全国紙INQUIRERのウェブサイトの動画でデモに参加する友人を発見し、思わずメッセージを送ってしまいました。知人のFacebookを見ると、多くの友人がこのデモに参加したようでした。通常ですと、在外国の日本国大使館からデモに対する注意喚起などのお知らせが大使館ウェブサイトに出されますが、今回はそれも見られませんでした。

このデモをサポートすべく、前日日曜日にミサ等で出会うフィリピン人たちにABOLISH PORK BARREL NOW! 「今こそ、優先開発補助金を撤廃すべき時」という紙を持ってもらい、写真を撮影、Facebookにアップロードしてオランダからも撤廃の意思を表明しました。

 10万人、フィリピンの人口比からすればわずかですが、多くの人が本来は人々のために使われる公金が一部の政治家、事業家の利益となってし待っていたことに強い怒りを持ったはずです。
 100億ペソとは莫大な公金ですが、また同時に一般市民がどんなに小さな汚職も許さないという気持ちを持ち、日常の生活でもそれを実践できるかということではないかと思います。今回のデモでも公園にお弁当を持ち、ゴミ袋を持参しての参加とニュースにありました。ゴミで公園を汚すことで、公的なお金が公園清掃に費やされるということを懸念してのそれらの実践が呼びかけられたと言います。無駄に公金を使わないという感覚を市民の中に養うということが、こうした汚職を国から追放して、国を発展させていく基盤になると思いました。

 

 
 

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